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「百書店の本屋祭」とは?

全国の書店が「もし自分の店で10冊だけ本を売るなら」をテーマに選書した本が並ぶ、本屋の総合展。古本市や出版社主催のイベントはあっても、全国の本屋が参加する新刊のイベントは今までなかったのではないでしょうか。百書店の本屋祭とは、全国の「本屋」の「お祭り」です!

私たちの想い

【旅するように本屋をめぐる】
本屋をめぐる、それは常に旅とともにあります。旅をしたらその土地の本屋に入り、棚を見ます。人を見ます。本屋のある「まち」をめぐります。本屋の棚にはその土地にちなんだ独特の本が常にあり、本屋の店員、お客さんからは土地の雰囲気を感じます。そして「まち」。本屋のある「まち」をめぐると、そこでの生活と本屋の役割が見えてきます。

なぜなら本屋はその土地の人たちと共にあるからです。お客さんがいて本が売れ、売れるからお客さんに合わせた本を仕入れます。そうして本屋は土地と同化していきます。その土地独特の雰囲気を僕たちは旅人として、本屋を見て感じます。同じ本屋は世界中のどこにもありません。そんな当たり前のことを、少しでも感じてもらえないか。そう考えて、全国の本屋とその選書を一ヶ所に集めることにしました。懐かしい地元の本屋の雰囲気を感じてもらっても、新しい本屋を見つけて、次の旅の目的にしてもらってもいい。本屋から本屋へ、僕たちは旅人となって本屋をめぐる。そういう場が「百書店の本屋祭」です。

【新刊本でお祭りを】
思い返してみてください。新刊書店の総合展。お祭りです。古本祭は全国でよく行われていますし、出版社が出店、販売するイベントも沢山あります。でも出版社の垣根も超えた、新刊のお祭りはないのでは?

なぜか。それは純粋に「経済」です。もともと利益率の高い古本や、直接販売することで利益を上乗せできる出版社の出店と異なり、利益率の低い新刊書店ではイベント会場までの輸送料や出店料を売上でまかなうことができません。でもだからと言って、たくさんのお店が集まるイベントは楽しいものです。僕たちはその「経済」を乗り越えて、新刊書店のお祭りを実現したいと思いました。具体的に言うと、取次会社のご協力を得て、すべての本屋の選書本を一度に仕入れます。これでひとまず輸送料の問題は大体クリア。これは取次の機能する「新刊」だからできたこと。「新刊」でできることももっと探っていきたい。このお祭り自体が、「新刊」と「新刊書店」の新しい可能性だと信じています。

【選書に価値を】
選書。その人が本を選ぶということ。そこには間違いなく価値があります。本屋はその価値を無料で見学できるスポットです。とはいえ、これは本屋だけに限らず、すべての店というのは本来そういうものですし、そこにお客さんがつくからこそ、店の売上が成り立つものです。ただ、店以外、例えば雑誌の記事やwebサイトでの本の紹介。現状、この仕事に報酬が支払われることはほとんどありません(もちろん、出るものもありますが、全体としては……)。

金銭が全てではありません。掲載による宣伝効果、というのも間違いなくあるでしょう。しかし、少なくとも商売という枠組みの中で、本屋として本がやり取りされるのであれば、その価値は金銭に還元されるものであると思います。僕たちは、本屋祭に出店したお店ごとの売上から10%をそれぞれ還元することにしました。はっきり言って、大した金額ではありません。しかし、いい選書が売上につながり、それが報酬になるとともに店の価値にもなる。この、「本屋であれば当たり前のこと」を、どうしても守りたいと思っているのです。選書に価値を。金額は小さくても、僕たちはその価値を示し続けたいと思います。

企画:H.A.Bookstore、双子のライオン堂

問い合わせ:info(@)100shoten.com